中学のときに、家の裏にあるS山を探検してたんだよ。五人くらいで。
普通の道通るのもつまんないって、あえて道が無い斜面とか木々の間をどんどん進んでたんだ。
そしたら少し開けたとこに出て、寺とすぐ横に小さな家があったのよ。
そこの境内にずかずか入ると、すぐに異変に気がついた。
神主とか巫女さんが着る白い服が、そこらへんの地面の上に無造作に脱ぎ散らかしてあったんだ。
土にまみれてずいぶん古くなってる。寺のほうに行ったんだけど、誰も居ない。
扉にもカギがかかってなくて、さい銭でもパクルかって探したんだけど何も無かった。
でもさい銭箱の近くにまた服が落ちてたんだ。
その服の上にでかい黒い芋虫みたいなのが這ってて、気持ち悪くなってそこを離れた。
そしたら連れの一人が騒いでて、「早くこっちに来い!」って血相を変えながら叫んでるんだよ。
そいつは寺の横にあった小さな家の近くで叫んでた。
勝手にその家に入ってたらしく、玄関の扉が開いてた。
「やばい!まじでやばい!」って騒ぐそいつに引かれて、俺たちはその家に入ったんだけど……
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