祈りは鳥になり私の心から飛び去った
邪気ばかりの風が吹いていて
十字架の丘は物語を紡ぎ出していく
古ぼけたトランクに慎ましやかな身の回りの物
チケットをポケットに
フェリーに乗り込んで プラムを齧りながら
悲しみ方を少し忘れて旅立つ
“復讐は冷まして食べる料理だ”と
他の記憶はなくしても そのことだけは覚えているの
なにもない なにもなくていい
奇跡は星になり夜明けの空をサッと過ぎった
魔女の黒い羽根が降る森を幼いバレリーナは
赤い靴で踊り続ける
黒羊達の草原に風車が風を送りこめば
僕の運命も終わる
ポーラスターを眺めて夢を見ている
悲しみ方を 思い出してしまう
“内部は音を立ててガラガラと崩れている”
そうだった
何もかもはアンハッピーエンドだわ
なにもない なにもなくていい
空の遠方(正えんぽう、、誤とうほう、、の鳥
祈りは鳥になり 私の心から飛び去った