一部、栄養ドリンクと同じ成分を含む飲料で、日本では「清涼飲料水」として販売されている。製品や販売地域によっても異なるが、カフェインやアルギニン、バリン、ナイアシンといった成分を含んでいる。他の清涼飲料水に比べてカフェインの含有量が多く、強炭酸ののどごし、強い甘さなどが、共通した特徴である。
栄養ドリンクの代表としては、薬剤師または登録販売者からの情報提供を努力義務とする「第2類医薬品」であるユンケル黄帝液や、「指定医薬部外品」であるリポビタンD、ユンケルローヤルゴールドなどがあるが、それらに比べ、エナジードリンクは成分や効能表示で制限を受けるため、タウリンなどの効き目が強い成分は入っていない。また、ゆえに「滋養強壮」や「栄養補給」などの表示も明記することはできない。
タイで発売され、全世界に普及した「Red Bull(レッドブル)」が、エナジードリンクのさきがけとして知られている。日本にも2005年12月に「Red Bull」が上陸、その後、「burn(バール)」や「MonsterEnergy(モンスターエナジー)」などが次々に発売され、手軽に水分が補給でき、清涼感も味わえると、若者を中心に人気に火が付いた。かつて2000億円といわれた栄養ドリンク市場がこの10年間ほぼ横ばいなのに対し、09年には約31億円規模だった日本国内のエナジードリンク市場は、13年には400億円に迫り、4年で約10倍にまで拡大した。その後も食品・飲料メーカー、栄養ドリンクのブランドによる市場参入が相次いでいる。
(城島充 フリーライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
健康の保持に効果があり、覚醒(かくせい)作用があるとされる成分を含んだ清涼飲料水。成分はカフェイン、ビタミンB群、アミノ酸、炭酸水、果糖のほか、果汁やハーブエキスなどで、通常は炭酸飲料として市販される。医薬部外品には該当しないため、栄養ドリンクのように効能を具体的に表示することはできず、スポーツ飲料やアミノ酸飲料などと同様に機能性飲料に区分されることが多い。日本では、オーストリアのレッドブル社Red Bull GmbHが製造販売するレッドブルが2005年(平成17)ごろから一部の飲食店やコンビニエンス・ストアで取り扱われるようになり、コーヒーや紅茶と同等かそれよりも多くのカフェインを含む飲料として注目を集め、その後急成長を遂げた。
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