2021年4月13日 17時03分 株価・為替
かまぼこやはんぺんなどの“練りもの”で知られる「紀文食品」は、国内市場が伸び悩む中、海外での販売拡大を目指して、創業から83年を経て13日、東京証券取引所の1部に株式を上場しました。
13日は紀文食品の保芦將人会長が東京証券取引所を訪れ、鐘を打って株式の上場を祝いました。
初日の13日の終値は、売り出し価格の1株・1160円を13%余り上回る1317円でした。
紀文食品は、昭和13年に東京 八丁堀で食品の販売店として創業し、戦後の昭和22年から現在の中核事業である水産加工品の製造を始めた老舗です。
創業から83年を経て初めて株式を上場するねらいは、国内市場が伸び悩む中、上場で得た資金で生産設備を増強して海外での販売を拡大するねらいがあります。
健康志向の高まりでアメリカでは糖質を抑えた麺の販売が好調なほか、日本食ブームを背景に海外でかにかまなどが売れていて、さらにてこ入れを図りたいとしています。
堤裕社長は、記者会見で「創業100年目には、グローバル企業をよりしっかりした形で実現したい。上場によって財務基盤の強化を図りながら事業をスピーディーに進めていきたい」と述べ、売り上げ全体に占める海外事業の割合を現在のおよそ10%から数年で15%程度まで高めたいという考えを示しました。