2021年4月20日 18時58分 サイバー攻撃
JAXA=宇宙航空研究開発機構などがサイバー攻撃を受け、中国人民解放軍の指示を受けたとみられるハッカー集団の関与が疑われている問題で、警視庁が攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約していたとして中国共産党員の男ら2人を任意で事情聴取していたことが分かりました。2人はその後出国していて、警視庁が引き続き行動などを調べています。
警視庁によりますと、JAXA=宇宙航空研究開発機構が2016年にサイバー攻撃を受けその際に日本国内のレンタルサーバーが使われて日本に滞在歴があるシステムエンジニアで中国共産党員の30代の男が偽名で契約していたことが分かりました。
サーバーを使うためのIDなどはオンラインサイトを通じて「Tick」とよばれるハッカー集団に渡り、中国人民解放軍の指示でサイバー攻撃が行われたとみられ、警視庁は男を私電磁的記録不正作出・供用の疑いで書類送検しました。
これまでの捜査でこの男のほかに日本にいた中国人元留学生も偽名でサーバーを契約していた疑いがもたれていて警視庁が2人を任意で事情聴取していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
このうち中国共産党員の男は偽名でサーバーを契約してIDなどを転売したことを認めましたが、すぐに立件することは難しく2人はその後出国したということです。
元留学生には中国人民解放軍のサイバー攻撃専門の部隊「61419部隊」に所属する人物が、妻を通じて指示をしていたとみられ、警視庁が引き続き2人の行動などを調べています。