前回に続いて、シューベルトの即興曲 D935 第2番変イ長調をオーケストラに編曲しましたのでお送りします。この曲も私の大好きな曲で、比較的演奏しやすいので、私も好んでよく弾きます。曲は、A-B-Aという単純な3部形式で、最後のAの部分は、最初のAとコーダを除いて全く同じです。このあたりは、曲の構成には全く無頓着のシューベルトらしさを感じます。冒頭のAの部分は、まことに愛らしい童謡のようなメロディーで始まります。誰でも口ずさんで歌いたくなるようなメロディーですね。このメロディーは、最初はオーボエ、そのあとはフルートに割り当てましたが、なかなか楽器の音色にあっているように思います。ところが、気分よく聴いていると、Aの後半で、変イ長調の主題が、意表をついて突然、遠隔調に転調します。何調かわからないような経過部を経て、何気なくもとの変イ長調に戻ります。こういった意外性のある転調は、まさにシューベルトの面目躍如です。ではご鑑賞ください。
音楽ソフト”Musescore"を使って、パソコン上でオーケストラ曲を再現してみました。このスコアは、耳で聞いたものから想像して作ったものなので、実際のものとはかなり違っています。とくにクレッシェンドなどの強弱やリタルダンドなどの速度をソフトで正確に入力するのは難しかったので、独自に設定しています。弦楽器の知識がないので、実際には弾けないような楽譜になっているかもしれませんのでご容赦ください。では、どうぞご鑑賞ください。