ホットソースを勢い余って僕の皿にまでブチまけているところごめんね。
エル、知ってるかい?
辛味っていうのはね、味じゃないんだ。
味っていうものは味覚で感じるものだけれど、辛さを感じるのは痛覚なんだ。
エルは辛いものが大好きだよね。
辛ければ辛いほどおいしい。
辛ければ辛いほど大好き。
これは全部痛みを感じて喜んでいるということなんだよ、エル。
どうしたんだいソースをかける手を止めて。
いつもはもっと料理が血の池地獄よろしく真っ赤になるまでかけるじゃないか。
ほら、いつものようにさ。
香辛料でビチャビチャになった料理を口いっぱい頬張って、舌から喉からお腹までヒリヒリ灼く刺激に涙を浮かべながら陶酔しているところを見せてよ。
マスクで弱虫を隠しても、エルが痛いの大好きなマゾなのは隠せてないことなんて、みんな気づいても言わないようにしてるんだから気にしなくてもいいって。
「またエルちゃんが気づかれてないと思って食堂で堂々と被虐欲を満たして悶えてるなぁ」
なんて目線を気にすることないんだ。
ほら、代わりに僕がいつものぶん君の料理にホットソースをかけてあげたからさ。
ほら、あーんして。
首を振ったって駄目だよ。
食べなきゃ力が出ないだろう?
食べなよ、エルコンドルパサー。
怪音声シリーズ本家様→
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