佐賀市内のとある工事現場。
そこに珍しいお客さんが訪れた。
ひな鳥を胸に抱く親鳥。
子育て真っ最中の「コアジサシ」だ。
カモメ科の渡り鳥で、環境省は絶滅危惧種に指定している。
しかし、この場所も、資材置き場などになる予定。
そこで思い切った決断が下された。
中野建設 土木事業本部・宮崎安一さん「(見つけた)当時はコアジサシとは気付いていなくて、何か対応できることはないかと思い動いた」
建設会社が、ひなが巣立つまで工事を延期することにしたのだ。
本来、海岸の砂浜や、河川敷に卵を産むというコアジサシ。
なぜ工事現場に巣を作ったのかというと、専門家は、「工事現場の砂利が河川敷に似ていたからではないか」と分析している。
日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長「“巣立つまでは工事を待つ”と言ってもらっている。本当にありがたい」
コアジサシのひなは、卵からかえると20日程度で飛べるようになり、その後、オーストラリアなどに向け、家族で旅立つという。