第四幕は昭和20年5月末の日本軍の沖縄南部撤退から6月23日の沖縄戦終結(組織的戦闘の終了)まで。
グルーとスチムソンの会話は、ロンドン海軍軍縮会議から15年越し(投稿期間的には12年越し)の伏線回収。
第四章「ロンドン海軍軍縮会議」
sm9200019この場面について補足すると、グルーがこの時期に国務長官代理というポジションにいたこと自体が既に奇跡的なことなのですが、この後すぐに対日強硬派のジェームズ・バーンズが国務長官に就任し、グルーら知日派は国務省を追われ、以後スチムソンがグルーの立場を引き継ぐことになります。
それを考えると、グルーが国政に影響力を持ち得た最後の段階で訴えたことを、スチムソンが若槻、幣原、濱口という具体的な日本人三人の姿を通して、自らの実感として理解することができたのはとても大きなことであったと思います。
幣原外交の最大の功績は、ロンドン海軍軍縮会議から15年後のこの瞬間にあったと言えるかもしれません。
<本章関連年表>
昭和20年(1945年)05/25 米統合参謀本部会議、日本の無条件降伏のため、本土進攻により「必要な日本の工業地帯を占領し、軍の絶対的支配下に置く」と結論
05/28 グルー、トルーマンに「新たな対日声明」を進言
05/29 グルー、ペンタゴンで「新たな対日声明」案を提言
06/01 スチムソン、トルーマンに暫定委員会の決定報告。原爆の無警告使用を提言
06/07-09 島田知事、沖縄県庁の解散を宣言
06/08 御前会議「今後採るべき戦争指導の基本大綱」(本土決戦方針)を決定
06/09 天罰発言事件(第87回帝国議会)
06/09 梅津参謀総長、天皇に陸軍の戦力の実態を口頭で報告
06/12 長谷川海軍大将、天皇に海軍の戦力調査結果を報告
06/13 木戸内大臣、米内海相、鈴木首相と会談。
06/14 沖縄の日本海軍部隊全滅
06/15 天皇、御不例のため終日床に伏す
06/18 日本、六巨頭会議(9月までの終戦を合意)
前章(四十章)「昭和天皇と鈴木内閣成立」
sm35366418第一幕「沖縄戦前夜」
sm36718689 第二幕「日米政変と特攻作戦」(1/2)
sm37098419第三幕「皇居炎上」
sm38037298次(2/2) →
sm38912923<東方昭和伝各部マイリスト>
外伝 「日露戦争編」
mylist/29344962 第一部「動乱序曲編」
mylist/15428784 第二部「満州攻防編」
mylist/16921369 第三部「連盟脱退編」
mylist/19073651 第四部「国内抗争編」
mylist/21341189 第五部「帝都騒乱編」
mylist/22516808 第六部「軍部台頭編」
mylist/24068405 第七部「日中激突編」
mylist/25207392 第八部「複雑怪奇編」
mylist/31889242 第九部「大政翼賛編」
mylist/43420454 第十部「日米開戦編」
mylist/53297660 第十一部「終戦工作編」
mylist/60092318東方昭和伝全作品
mylist/17180556製作者Twitter→@elevenplat