「”怪文書”を作ってくれないか」
『え?』
「今度動画を出すんだろう?その時の動画説明文に書く怪文書を制作してほしい」
『怪文書……ですか、はぁ…
ですが、なぜです?動画説明文に怪文書を投稿しない方も大勢いるはずです』
「今回の投稿は初投稿になる、最初の印象とはとても大事なものだ、我々のことを印象付けるためにも怪文書投稿は必要になる」
『は、はい……わかりました』
『しっかし、どうしたものかなぁー……』
「どうかしたの~?悩み事~?」
そこには、メジャーリーガーも驚く肩幅を見せつけるようにして闊歩する雛菜の姿があった
『あれ、他のみんなは?雛菜一人か?』
「みんなは自主練だって~」
『…そうか』
「で~?プロデューサー、頭抱えてどうしたの~?」
『いや…それが、社長から厄介な仕事を頼まれてな』
「それって、”怪文書”ってやつ~?」
『なっ、なんで雛菜がそれを』
「だってぇ~、昨日プロデューサーうわごとのように呟いてたよ~?『怪文書……カイブンショ…』って」
『そ、そうか……なんかごめんな』
「雛菜はいいけど~円香先輩が低い声で『気持ち悪い』って言ってたよ~」
『なんか…ごめんな……』
「後で円香先輩に言ってね~。それで~?怪文書がどうかしたの~?」
『いや、実は今度の動画の説明文に怪文書を書かなきゃいけないらしくてな……
でも怪文書なんて書いたことないからなにもかもよくわからないんだよ』
「ふ~ん」
『聞いてきたわりに興味なさそうだな…雛菜』
「あは~ だって雛菜に関係ないし~」
『まぁ、それもそうか』
「なんだかんだ言ってプロデューサーなら大丈夫じゃ~ん」
『えっ、雛菜それは……』
「やは~♡なんでかな~?」
『どういうことだ?』←
『なんかいける気がしてきた』
『適当に言ってないか?』
「そのまんまの意味だよ~?プロデューサーならもう大丈夫ってこと~」
『だからそれがどういうことか……』
レッスン室の方から透がやってきた
「やは~♡透先輩~♡」
「あれ、雛菜じゃん。先帰ってたんじゃなかったの?」
「透先輩こそ~今日なんだかはやくない~?」
「用事があって、早めに上がった」
「そうなんだ~」
「それで、何?二人してこんなところで」
「ちょっと立ち話~ それより透先輩~一緒に帰ろう?」
「いいよ、一緒に帰ろう」
「それじゃあまたね~プロデューサー~」
『お、おう……』
『(結局良くわからなかったな……)』