まず尾頭付きを具現化しようと決めてからはイメージ修行だな。
最初は実際の尾頭付きを一日中いじくってたな、とにかく四六時中だよ。
食べてみて食感を確認したり何百枚何千枚と尾頭付きを写生したり、ずーっとただ眺めてみたり舐めてみたり、音を立てたり嗅いでみたり、食べ物で遊ぶ以外は何でもしてみろと師匠に言われたからな。
しばらくしたら毎晩尾頭付きの夢を見るようになって、その時点で実際の尾頭付きをとりあげられた。
そうすると今度は幻覚で尾頭付きが見えてくるんだ。
さらに日が経つと幻覚の尾頭付きがリアルに感じられるんだ。重さも冷たさもすれあう味も感じてくる。
いつのまにか幻覚じゃなく、自然と具現化した尾頭付きの画像がディスプレイに映っているような気がしたんだ。