「なに?栄養管理としてこれからお前が飯を作るのか?」
「ああ、やはりアスリートにとって食は重要なファクターだからな」
「ご苦労なことだな、そこまでするトレーナーは多くはないだろ
何がそうさせる」
「お前と同じだ」
「ん・・・?」
小首をかしげるブライアン
「お前がどれだけ華々しい舞台で勝利しても
すぐにその次が見たくなるんだよ俺は・・・!
天皇賞?有馬記念? ドバイ、香港、凱旋門?
いいや、どこまで行っても満足なんかできねぇんだ
俺の知る限り最も強いナリタブライアンというウマ娘がどこまで走り抜けていくのか
それを特等席で拝み続けたい・・・そのためにやれることは何だってやってやりたいんだ」
「はっ!
ああそうだ終わりなんかない目標なんて必要ない
レースがあるなら勝ってやる何処にだって行ってやる」
犬歯をむき出しに笑う
「飯に関してはうまけりゃ何でもいい
もちろん
肉たっぷりだぞ」
「わかってるって、ちゃんとおいしく食べてもらったうえで栄養も完璧にするのが
俺の仕事だ。
てことで今日の弁当な」
「ああ、食う」
一口食べるとブライアンは箸が止まった
「うまい・・・
が・・・なんだこれ・・・なんか懐かしい感じが・・・」
「ああそれな!
ハヤヒデに紹介してもらってお母さんに会ってきたんだ」
「んん!?」
「いやぁお前の偏食との戦いの歴史をたっぷり聞かされたよ
んでもって工夫のすべてを伝授してもらった!」
「そう・・・か、そうなっちゃったのか・・・」
自分のトレーナーがよもやおふくろの味を会得してるとは露にも思わなかったナリタブライアン