米ロックフェラー大学のポール・ビーニャス教授らの研究グループは、パンデミック初期に新型コロナから回復し、その後mRNAワクチンを接種した人に、極めて高い免疫力が備わっていることを発見した。この人たちの抗体は、既知のすべての変異株だけでなく、SARSコロナウイルスまでも中和する効果があったという。
それは「超人的な免疫」と呼ばれている。
一部の人は、新型コロナに対して極めて高いレベルの免疫を持っていて、将来の感染拡大からも守られるかもしれないことが、最新の研究結果から分かった。
コロナから回復後に、ファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンを接種した人々を調査した結果、感染後の獲得とワクチン、いずれの単独で得られる免疫力よりも高い免疫力を持っていることがわかった。
ビーニャスさんは、これをハイブリッド免疫と呼んでいる。
「これはパンデミック初期に感染し、その後ワクチンの普及に伴い、接種した人たちに見られる現象だ。こうした人々の抗体は、これまで見てきたすべての変異株を中和できるだけでなく、SARSコロナウイルスや、コウモリやセンザンコウといった動物が媒介する、様々なウイルスを中和することができた」と説明する。
ビーニャスさんはこの研究はまだ新しいため、さらなる検査が必要だとくぎを刺した。
だが、ビーニャスさんは、感染から回復後にワクチン接種した人を勇気づけるものだとも話し、3回目のブースター接種で、こうした「超人的な免疫」と同じ効果が得られるか調べている。
これまでに世界で2億2600万人以上が新型コロナに感染し、約480万人が死亡した。
世界保健機関(WHO)は、新たなパンデミックは避けられず、起こるかどうかが問題ではなく「いつ」起こるのかだとしている。