俺、やっぱ園田が好きだ。
明日、あいつが学校に来たら告白するわ。
だってあいつすげー可愛いし....。
それに、優しいんだぜ?
最近、芸能活動で忙しいんだか全然学校来ないけど、
たまに来た時には、俺のことちゃんと覚えてるし、
挨拶までしてくれるんだぜ。
俺なんか2週間前には、
「おはよう!○○君!秋なのに寒いね~」
って下駄箱で話しかけられちゃったし。
突然すぎて、適当な返事しか出来なかった自分を呪いたいよ....。
園田はすごいよな....。
俺なんかただのクラスメートの一人でしかないのに....。
....そう。
俺は園田にとってただのクラスメートの一人でしかないんよな。
たまに行く学校の、たまに会う異性の級友って印象なんだろうな。
俺にとっての園田と、園田にとっての俺は、まるっきり違うんだよな。
ホントはもっと一緒にいたい。
ホントはもっと色々話したい。
ホントはもっと二人でいろんなところに行きたい。
ホントはそのちっちゃな手を握りたい。
その低い身長から強制的に繰り出される上目使いを独り占めしたい。
あわよくば胸も....。
この気持ちは噓じゃないんだよな。
でもあいつは俺の気持ちと同じでいてくれないんだろうな。
わかるんだよ。なんか。
告白しても成功しないって。
園田は優しいから、俺の告白を最後までちゃんと聞いてくれるだろうし、
断るときも俺が気まずくならないようにおどけてくれるんだろうな。
はあ....。
なんだかホントに無理な気がしてきた。
告白するのはやっぱやめた。
この恋も永遠に忘れよう。
さよなら、おれの初恋。
こうして俺は園田智代子を忘れ、アルストロメリアの箱推しオタクになった。