現代、人間によって演奏されている非常に退屈な雅楽。その古譜をDTMで復元したらどんな音楽がでてくるかやってみた。
藤原師長(1138-1192)が1177以降に編集した琵琶の雅楽曲集(三五要録)に収録されている風俗歌の一曲。
歌の音程は琵琶譜に歌詞が書かれているので、それから取った。
歌詞:
大鳥の羽に ヤレナ 霜降れり ヤレナ
誰かさいう 千鳥ぞさ言う
鷃(かやくき)ぞさ言う
ミトサギぞ 都より来てさ言う
催馬楽歌東遊歌風俗歌評釈
千秋季隆
早稻田大學出版部
雑訳:
大鳥の羽に霜が降ったんだって
それは珍しい。誰がそう言ってた?
千鳥がそう言ってた
かやくきも
ミトサギは都からわざわざ来てそう言ってた
元ネタ
英国の音楽学者ピッケン博士のMusic from Tang court。
前世紀、日本に現存する雅楽の古譜の中に古代中華帝国の宴会用の曲(唐楽)が残存していることに気づいた博士はそれらを分析し、現代の日本の雅楽曲が元々のテンポより4~12倍遅く演奏されていると言及した。
ネット経由で見れる古譜を調べてみたら本当にそうだった。そこで唐楽以外の高麗楽、林邑楽について調べたらこちらも同様だった。歌ものの催馬楽については現在調査中。今のところ現在演奏されているものと古譜に書かれている曲はかなり異なる。
参考文献
風俗譜(三五要録) 巻之十三 宮内庁書陵部 伏859
催馬楽歌東遊歌風俗歌評釈 千秋季隆 早稲田大学出版部 1905
これらはネット越しに見れます。
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