Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=AHZPTY1IZD8&t=378s)。
1735年、テレマンは「無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲」TWV40 ;14-25を出版しました。この作品は有名なバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータから15年後に登場しており、当時は無伴奏ヴァイオリンのための作品が極めて少ないことから、テレマンがバッハの作品に触発されて作曲した可能性があります。
3~4楽章からなる幻想曲が12曲ある本作は、音楽様式としてはバッハとは対照的に、厳密な様式にとらわれることなくヴァイオリンの技巧を追及するもので「作曲者の自由な創造力を生かした作品(形式にとらわれない)」という意味の「幻想曲」という題名が付けられているのも納得の作品です。
もっとも「形式にとらわれない」という作品の性格から、本作は厳密な音楽様式に則ったバッハの無伴奏ヴァイオリン曲に比べて評価が低くなる傾向があり、もっと評価されてほしいと思います。
佐藤俊介(ヴァイオリン)