「メアリーの見た色はトロッコの行方を変えうるだろうか」
哲学的ゾンビと手繋いで
社会性纏って灼熱の街へ
一切合切がただの記号と図形
機械的動作
流れ転がっていく万物
再会望むべくもないさ
なにひとつわからないということだけ
嫌というほどわかっている
水槽に浮かぶ脳は今日も愛して歌って泣き笑って
鍵を叩く猿が書きあげた
シェイクスピアに栞挟んだ
5分前の世界を考えるラプラスの悪魔は眠くなって
生と死が重なる猫が棲む箱に逃げ込む黒くないカラス
散文的情報読みとばし理論武装かため冷徹な街へ
一切合切が即ち空ならまだ
雨に濡れていよう
懲りないな理解できないや
全員の幸福な選択
何一つわからない
ということだけ嫌というほどわかっている
メアリーの見た色はトロッコの行方を変えうるだろうか
沼から這い出した男はそれを見て意見するだろうか
ロバが干し草を選ぶ間に石は印の真上に落ちた
携帯電話の電波が描く自我が抱くシャーデンフロイデ
つぎはぎの船で行こう双子の地球へ
夢から醒めた蝶はアートマンの苦悩を羽ばたき消した
東西南北の門の前 非存在を羨んでみたり
砂山から1粒摘み上げた神の見えざる手に従って
今日も誰かがいなくなる
世は並べて事もなし遮莫