現代、人間によって演奏されている非常に退屈な雅楽。その古譜をDTMで復元したらどんな音楽がでてくるかやってみた。
神楽歌の譜は江戸時代に書かれた多家秘書の中に含まれている秘譜を読んだ。それらはテンポが遅すぎて拍子のハッキリしない退屈な現代の演奏手法で書かれている。
この動画では楽曲を分析し、活き活きとした演奏になるテンポを設定し、そのテンポにそぐわない奏法は排除して復元している。折る手と摘み手は残している。現代の和琴の奏法では神楽歌ではギターのアップストローク ダウンストロークに相当する奏法(順搔逆搔)で弾かれるが、常に響きが在り過ぎるので単音とした。
楽家録にはこの動画よりさらに遅いテンポの演奏に合わせるためのハッタリ技法が書かれているように見える。
音取
榊
歌詞:
榊葉の香を懐かしみ とめくれば
八十氏人ぞ まといせりける
雑訳:
榊の葉の香りをたどって来てみれば、神職の人たちがたくさん集まってたよ
韓神(からかみ:スサノオの孫大年神の御子)
歌詞:
みしま木綿(ゆふ) 肩に取りかけ
我 韓神のからおぎせんや
雑訳:
伊豆三島産の木綿を肩にかけ(韓風スタイル)、
韓風の神招き(ものまね?)をいってみようか!
宮中で演奏される神楽歌の採物の部分。この部分には他にも曲が多数ある。倭人が新羅の王だったことがある。これがスサノオではないか。百済、新羅からは多数の移民があったようなので、彼らを取り込むために神楽に韓風要素が入れたか。
元ネタ
英国の音楽学者ピッケン博士のMusic from Tang court。
前世紀、日本に現存する雅楽の古譜の中に古代中華帝国の宴会用の曲(唐楽)が残存していることに気づいた博士はそれらを分析し、現代の日本の雅楽曲が元々のテンポより4~12倍遅く演奏されていると言及した。
唐楽以外の高麗楽、林邑楽、催馬楽、風俗歌についても調べたら同様だった。
参考文献
神楽歌和琴合譜 豊田市中央図書館 一般デジタル 国7 3‐1 8
多家秘譜 豊田市中央図書館 一般デジタル 国7 3‐1 3
神楽東遊歌譜 宮内庁書陵部 伏1521
神楽歌 国文学研究資料館 書誌ID:200022893
謡物評釈 : 神楽歌評釈 千秋季隆 早稲田大学出版部
NEUTRINO(東北イタコ、ナクモ)
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