愛とは……
手塚治虫が生み出した「ユニコ」は、1976年~1979年に『リリカ』に連載されました。ユニコは伝説の神獣ユニコーンの男の子で、プシケという美しい少女に飼われていました。このプシケの美しさに嫉妬したのが美の女神であるビーナスです。自分よりも美しい娘がいることに我慢ならなかったビーナスは、プシケからユニコを取り上げてしまいました。西風の精であるゼフィルスに命じて、ユニコを別の世界に捨てに行かせます。
新たな世界を訪れる度にユニコは記憶を失い、様々な世界を彷徨います。まだ小さく、臆病なユニコは数多くの困難にぶつかります。ユニコは行く先々で不思議な魔法を駆使して、出会った人や動物を助けていきます。その愛らしい姿と他者を思う優しい気持ちが、出会ったものに幸せをもたらします。
姉妹編として『小学一年生』にも1980年~1984年に「ユニコ」が連載されました。こちらは日本を舞台にしており、一人っ子のS男くんがある日河原で一角獣の子供・ユニコを見つけることから物語が始まります。ユニコ、S男くん、そして中国の沼地生まれの竜のこども・ラゴンによる、わいわいどたばたしたストーリーが繰り広げられます。『リリカ』版とは異なるユニコの愛おしさを楽しむことができます。
フォト解説より