「ふれあい動物園に行きたい所存です!」
有馬記念も終わり、長めの休養を取ることになったので
何かご褒美…欲しい物や行きたい場所などを聞いたところ
ヤエノのハリのある声がトーナー室に響いた
「はぁぁ…ここがかのふれあい動物園……!」
トレセン学園からそう遠くない場所に位置する動物園で
うさぎ等の小動物はもちろん
アルパカやカピバラ等とも触れ合えるのを売りにしている
「アルダンさん達とお茶をしているときに雑誌で見かけまして…実はずっと行きたいと思っておりました……」
やや赤くなりながらヤエノがつぶやく
ならば遠慮は無用!欲望を開放するとき!
「あぁぁぁ……小さい……温かい……かわいいぃぃ…!」
うさぎを抱きかかえながら悶絶するヤエノ
「なんて…なんて無垢な目をするのですか……!私が守護らねば……!!」
普段から自身を戒めている彼女だが
この時ばかりは年相応にはしゃいでいる
可愛い…
大興奮の彼女をカピバラを撫でながら遠巻きに眺める
意外と毛が硬い
「嗚呼……かくも愛らしい生き物たちが存在するとは……!
全てを守護るためにもより一層鍛錬に励みませんと…!!」
一通り愛でつくし、満足したようだが
未だ興奮冷めやらずといった様子だ
「トレーナー殿はどの子が可愛かったですか!?」
「んーヤエノ」
「え…!?」
「あ…」
しまった
いきなりの問につい先程まで思っていたことを口にしてしまった
「な…ななな、何をおっしゃ……」
瞬く間に真っ赤になり狼狽する
「ご…御免!!!」
東京芝2000のコースレコードを超える速さで逃げ去るヤエノムテキ