「それじゃあお姉ちゃん頑張ってくるの!」
アイネスをパドックへと見送る
さて、ここからもう一仕事
「それじゃあ観客席に行こうか」
「「はーい!」」
アイネスの妹のスーちゃんとルーちゃんが元気に返事をする
ご両親は来られないそうなので、妹ちゃんたちの引率をしてあげる
もう何度も頼まれているので手慣れたものだ
二人ともだいぶ仲良くなったと思う
「ねーねートレーナーさん」
「なんだい?」
「お姉ちゃんとはいつ結婚するの?」
「んーそうだね…ん?…んん!?」
何をいきなりぶっこんでくるのだこの子たちは
「だってねお姉ちゃんね帰ってきたときも電話でお話したときも」
「ずっとトレーナさんの話しばっかなんだよ?」
「それってー」「ゾッコンってことだよ」「「ねー」」
アイネスが俺の話を…
いやいや、大人をからかってはいけないとたしなめないと
「でもトレーナーさんお姉ちゃんにベタ惚れでしょ?」
「見てればわかるの」
恋愛感情ではなく生徒と職員、清い関係なんだと説明するも
「今はそうかもしれないけどいつか自然と変わっていくの」
「お姉ちゃんが女子高生だから見ないふりをしているだけなの」
「でもお姉ちゃんは卒業するよ?」「学生じゃなくなるよ?」
「「そしたらどーするの??」」
アイネスが卒業して社会的な壁がなくなったら…俺は…
「って!いやいや! 大人をからかうんじゃない!」
「アハハ!トレーナーさん顔真っ赤だよ!」
「お姉ちゃんの言ってた通りなの」
「「かわいー!」」
なんてことだ、この年にして男を手玉に取ることを覚えている
あの姉にしてこの妹ありだな…
「でもね、トレーナさんとお姉ちゃん結婚してほしいのはホント」
「お兄ちゃんも欲しいと思ってたんだ!」
「「ねー!」」
姉とよく似た笑顔に毒気が抜かれてしまう
………
……
…
「あたしのレースどうだった!?」
「あ、ああ…今日も最高だった、1着おめでとう」
「んー?どうしたの?目そらして、顔も赤いよ?」
そのままアイネスに詰められたじたじになるトレーナー
をにやにやと眺めるリアルポルックスとリアルカストール