以前作った詩の中から一篇、VOICEVOXの冥鳴ひまりさんに朗読してもらいました。
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「ショクパンクワエテ」
あまりにも有毒な
時間の大理石に包まれながら
私は起き上った
とらえがたい不自然な日光が
分度器を奪っている
その色が盗撮されたように白く
筋力的な日々の襞を脱走した
血を分けた先達の壁画
もはや【謂】は頼られないと
しわぶく
牝馬を手懐けるその手つきに
いたく不信をおぼえ
一枚のパンを
犠牲にした意思のかわりとして
その有毒な戦争の香り
自分自身に鞭を打つ
内的に外的に発露はなされる
幾何学的に消化したいくつもの
汗
蛇のようにひとあしひとあしに割りくる祈りは
されど行きどころを知られない
テクスチャの飲み込まれた瀝青が
味の死んだ石の堆積が
私の顚倒の未来を隠した
肉体に郷愁があるならば
それは即時的なものだろう
眼がおくれて出会ったその男に
私は激しく論難する
地図と輪郭の対流よ
かれは狼狽する
もっとも見えないその色を
図らずも見てしまったことに
私の論難は滑稽さを帯びる
私の履歴は切除される
漂流
眼のない人々の運河に
夾雑物として影を持つ
かれは古い足跡を虫籠に入れて
水没させた
明朗な角度が溶ける
有毒な波が
縄を解き
曜日の船が駆動するだろう
指が代わりに
今朝のことを言い合うだろう
馳せる二頭の馬
かたえの馬は競走馬である
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