ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
レオノーレ序曲 第1番
レオノーレ序曲 第2番(10:03)
レオノーレ序曲 第3番(24:11)
フィルハーモニア管弦楽団
指揮: オットー・クレンペラー
1963年、キングズウェイホールでの録音
※ベートーヴェン唯一のオペラ『フィデリオ』のレオノーレ序曲がなぜ3つもあるのかというと、ベートーヴェンはこのオペラを直ぐに評価してもらえず、友人らの勧めもあり総譜を短くしたり色々と試行錯誤していました。そうした過程で序曲も改作が繰り返され、結果的に3つも作られたのですが、今日使用されている最も完成度の高い第3番はベートーヴェンの生前には演奏されませんでした。クレンペラーは1961年のコヴェントガーデンでの公演に際してかなり長いフィデリオ論を発表してして、そこで「この序曲第3番はもはや夫婦の運命を語るものではなく、人類とその自由について語っている。それは人間性への訴えであり、ミサ・ソレムニスのように、外と内への自由の現れなのである」と述べています。その含蓄ある言葉の通り、見事な演奏といえるでしょう。