【君を揺らす】
がたんたぷん
ぽろんがたん
がたんたぷん
ぽろんがたん
君を揺らす人差し指で
そっと君を揺らす
誰もいない電車で
カーブに差し掛かった時
揺らす
逆方向に
君を君をそっと
君の表面張力で
君がこぼれ落ちないように
僕は細心の注意をはらって
君の事を揺らす
電車の窓
夜の窓に映る
君の胸に
沢山の家に灯る光
家々の光が突き抜けていく
ぽっかり空いた
そのあたたかさに
君はこぼれ落ちそうになる
君を揺らす息を殺してそっと
君を揺らす
誰も知らない最終電車で
かすかに君を揺らす
逆方向に
君を君をそっと
君の表面張力で
君がこぼれ落ちないように
僕は細心の注意をはらって
君の事を揺らす
電車の窓夜の窓に映る
君の胸に
沢山の橙に灯る光
家々の光が
突き抜けていく
ぽっかり空いた
そのあたたかさに
君はこぼれ落ちそうになる
電車の窓
夜の窓に
僕は映っていないけれど
どうか君がこぼれ落ちて
しまわないようにと
僕はそばにいるよ
いつでもそばに
君を揺らしているよ
いつでもここで
がたんたぷん
ぽろんがたん
がたんたぷん
ぽろんがたん