――根も葉もない噂だ。
気づいたら目で追っているあの子がどうやら怪しいバイトをしているらしい。
まったく全然、あの清楚で可愛らしい彼女がそんなことをしているなんて、これっポッチも信じてなんかいないけれど、僕は今路地裏の奥にある扉の前に立っている。
意を決し、ノブに掌を伸ばす。
1、2、3、ふっと息をのんでからガチャリと扉を開いた。
重く、静かに開く扉の先は薄暗く、ぼんやりとピンクに光るステージの前に何人もの男たちが座っている。
静かに動かず時を待つ彼らは獲物を待ち受ける獣のようだ。
「お席に・・・」
低い声でカウンターに立っていたバーテンダーが言う。
ひゃっ、と悲鳴に似た声を上げ、僕はあいていたカウンターの席に座った。
「・・・ご注文は?」
見渡すと皆手にグラスを握っている。
どうやらそういうシステムらしい。
一番安いものを、と裏返りそうな声で言うと一杯の水が差しだされた。
店内のライトが落ちる。
ステージが始まる。
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あれは・・・、彼女なのだろうか。
店内が薄暗いせいかどうにもはっきりしない。
ぴっちりと身体のラインが見えるスーツを身にまとい、片面のマスクをつけその身を曝け出す姿に絶句する。
「・・・追加のご注文は?」
気づくと周囲の数人は姿を消していた。
残った男たちはグラスを追加し、次のステージを待っている。
ぼくは・・・
「『カクテル』をいただけますか?」
まだ彼女である確証が持てない。
以下お借りしたもの
モデル :ままま式GUMIβ版.pmd(改変)
ステージ :怪しげなステージ (配布)
曲 :ジャンキーナイトタウンオーケストラ / すりぃ feat.鏡音レン
モーション:【福本MMD】ジャンキーナイトタウンオーケストラ【モーション配布】
その他:A-Toon_v1.02
仮面
フルHD 4058084
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