しかしスッカリくたびれ切って、物を考える力も何もなくなっていたあっしにはソレが何の意味なんだかサッパリわかりませんでした。……ハテナ……蓄音機屋の地下室が、腸詰工場になっているのか知らん。コンクリの床の上をズルズルと引き摺られながら、その臼の処へ連れて行かれましたが、別に怖くも何ともありませんでした。
けどもカント・デックに首ッ玉を押えられてその臼の中を覗かせられた時には、思わずゾッとして手足を縮めちゃいましたよ。その臼は、もちろん底抜けなんで、その底の抜けた穴の上にステキに大きな肉挽き器械のギザギザの渦巻きが、狼の歯みたいに銀色に光りながらグラグラグラと廻転しているのですから落っこったら最後、何もかもおしまいでさあ。頭から尻までゴチャゴチャになってしまうんですからドンナに有難いお経を聞かされたって成仏出来っこありません。
(人間腸詰/夢野 久作)
小説(41〜59話)はこちら →
https://www.pixiv.net/novel/series/1286981【BGM】
・Cooking Time(MATSU)
・【BGM集】女の子- Instrumental - 【かわいい系】(McCoy)
・【東方ニコ楽祭・酒宴】Floating in the water【幽霊客船の時空を越えた旅】(ぽれあ)(
sm35676752)
※補足説明※
四人のテーブル位置関係についてミスがありました。すまぬ……すまぬ……。
説明させていただくと、こいしを起点に時計回りで、
7.8話(最初)→「浩二」「お燐」「お空」
7.8話(席替え後)→「お空」「浩二」「お燐」
8話→「お燐」「お空」「浩二」
となっています。
本来なら席替え後の時点で8話と同じ席順になるはずでしたが、作者のケアレスミスで同じではなくなりました。ふへへ。
どこかでまた席替えしたんだなぁと脳内補完していただけると幸いです。
【追記】(2022/10/12)
YOUさん、ごぉらすさん、たきりゅー/魂魄豆腐さん、彼岸花さん、二ノ瀬泰徳さん、ひてささん広告ありがとうございます!