今宵のリクエスト曲は「秘密の配備」(もしくは「ファシストの陰謀」「忍び寄る戦争」とも)と呼ばれる、1930年代にヴァイマル共和国で歌われていたドイツ労働歌になります。
(1931年の映画「Niemandsland」で歌われていたり、1957年には歌詞が改定された「Der offene Aufmarsch」というバージョンで歌われていたりします。)
この歌の背景としましては、ヴァイマル共和国時代の、KPD(ドイツ共産党)と、SPD(ドイツ社会民主党)と、NSDAP(国家社会主義ドイツ労働者党:ナチス)の対立があります。
ドイツ国内でこれらの3勢力が率いる「準軍事組織」が衝突を繰り返した為、時のヴァイマル政府はデモ行進、メーデーの行進を禁じます。
これに怒ったKPDは違法デモを決行。1929年5月には警察隊と衝突し、31名死亡、数百名負傷、1200名逮捕という「Blutmai:血のメーデー事件 」が起こり、KPDの持つ準軍事組織「赤色戦線戦士同盟」は非合法な存在に認定されます。
怒りの収まらないKPDは以降「社会民主主義主要打撃論」をうたい、社民党を主要な敵とみなすようになり、この歌の歌詞へと繋がっていきます。
その後も対立は続きますが、オランダ人の共産党員が単独で行った1933年2月27日の「Reichstagsbrand:ドイツ国会議事堂放火事件」では、犯人(Marinus van der Lubbe)自身は「動機は資本主義に対する抗議である!」と述べたにもかかわらず、
NSDAPによって「共産主義者達による反乱計画の一端である!」と政治利用され、その後各種でっち上げの後に「共産主義者による襲撃が起きる!」というデマが流され、共産主義者・無政府主義者・社会民主主義者は次々と警察によって予防拘禁され、ドイツの世論はますますNSDAP寄りになり、かつヴァイマル共和国の権威は失墜してゆくのでした。(ヴァイマル版「赤狩り」ですなぁ・・・。)
その後、NSDAPは議席を着々と増やしてゆきますが・・・この先の歴史は皆様ご存じかと思われます故、割愛させて頂きます・・・。
次回投稿予定:2022年11月3日
次弾装填:Авиамарш
★本日のうちのMMD的家系図
くま式 結月ゆかり ChaChaMARU型
■毎年1月頃に既存軍歌、オリジナル曲は夏休み頃にリクエストを受け付けております。ですが、リクエストルールと転載について等は下記のプロフィールに記載。 (「もっと見る」を押して下さい。)
user/52288618( 無断転載とな? もうYouTubeやBiliBili動画にて外人さん達によってそれなりの数が転載されておってな、まぁ、 「動画自体の尺をノンカット+非営利」なら、ご自由に転載下さいな。 )
●旧アカウントに投稿した動画は以下の通り。(ボカロ軍歌が殆どです。)
mylist/53410027(最新にして最古 2015-2017年、2023年~)
mylist/72257597(2022年)
mylist/66697507(2019-2020年)
mylist/63638249(2018年)
mylist/59909854(2017年)
(一時期ニコニコ動画一般会員の動画投稿制限数が50にされた後、一定の人気水準に達した投稿者の動画投稿制限数が撤廃されるという歴史を辿った為、上記のような歩みとなっております。)
あ、全曲ニコニココモンズにカラオケ置いてあります。ご随意にどうぞ。
日本語吹き替えの歌は、Vocaloid等の方々に歌ってもらう都合上「完訳」にはしておりません。
映画の吹き替えに近く、全部意味を込めようとすると音素が足りなくなり日本語の歌として歌えなくなるため、基本どの動画の翻訳でもガンガン削る方向で作ってます。
本当は「歌う歌詞」「完訳文」「原文」「解説文」を動画中に載せたいですが、そんなごちゃついた動画は視聴される方にとっては観にくいだけの教育+自己満足動画かと思い、シンプルに歌う歌詞のみの表示形式で作成しております。(コメントで原文等を配慮ある構図で打って頂ける場合は、各視聴者側で任意にON・OFFできるかと思いますので、この限りではないかと思います。)
悪しからず。