(拔粹)
ジョン :
コロンビア大學で教へてゐた親友のジャック・スナイダーが、「帝國の神話」と云ふ本を書いてゐて、その本は防衞的リアリストの路線で教室でした。彼と意見を交はすうちに、自分自身の理論を構築することにしました。
なぜ現實主義者になつてしまつたのか、よく考へてみたのですが、自分でもよくわか
現實主義が世界の仕組みを尤も良く説明すると思つたからです。
一般的な理論で世界に就いて語れることには限界があります。
學生たちが「大國政治の悲劇」を好む理由のひとつは、そのやうな私が提唱する理論が單純な理論だからです。
現實主義と云ふのは、みなさんご存知のやうに國内政治を切り捨てた理論です。
現實主義のやうな本當に優れた理論であれば、何が起こるかの75%を説明することができる。つまり、25%の確率で間違つてゐるのです。
國内政治は時として本當に重要であり、單純なシステム理論でその特定のケースを説明することができます。どんなに優れた理論にも限界があるのです。
國内政治が重要でないとは言ひませんが、國際關係では殆どの場合、國内政治はそれほど重要ではないと思ひます。
基本的な國際關係理論を知りたくはないですか。自分が研究してゐるこの國が、基本的な國際關係理論に從つて他の國とどのやうに關係してゐるか。
この危機を理解するためには、基本的な國際關係理論を知らなければならない、と。
同時に、ウクライナやロシアの國内政治、アメリカの國内政治、ドイツの國内政治に就いて、さまざまなことを教へてくれる地域研究者が必要であることも認めます。だから、それを否定するつもりはありません。そして、若しあなたが國際關係理論かなら、自分の理論の限界を知り、地域の專門家やブラックボックスの「内側」で起こることを研究する人々が本當に重要であることを知るべきです。
ステフ:
2つ目の質問は、
プーチンの演説を少し引用しますと、講演の中で、プーチンは本當に多くのことを強調してゐましたね。主にアメリカのNAOの擴張、あるいはNATOの擴張の脅威を舉げてゐます。プーチンのウクライナでの戰爭は、主にアメリカのNATOの擴大、あるいはNATOのウクライナへの擴大の脅威が原因だつたと云ふことを證據として舉げてゐますね。
そして、あなたは今舉げた代替的な説明には證據がないと言つてゐます。
他の演説でも、あなたが根據がないと言つてゐる代替的な説明への言及を見つけることができると思ひます。