入れ歯などの製作を担い、歯科医 療を支えている「歯科技工士」の 業界団体は、低賃金などを理由 に、なり手不足が進んでいるとし て、歯科診療報酬を引き上げるこ とが急務だと訴えています。
入れ歯などの製作を担い歯科医療
を支えている「歯科技工士」につ いて、開業医や歯科医師でつくる県保険医協会の末益和幸歯科部会長らが記者会見を
開き、窮状を訴えました。 それによりますと、歯科技工士は、長時間労働や低賃金によって全国的ななり手不足 が進んでいて、下関市にある専門学校では、ことし22人の定員に対して入学者数が 10人にとどまり、このままでは地域医療に影響が出かねないとしています。 歯科技工士の技術に対する対価は、国が定める歯科診療報酬によって作業ごとに単価 が決められていますが、その水準が低いまま横ばいが続いているということです。 そのうえ、仕事を請け負うため過度な価格競争が起きているとして、歯科診療報酬の 抜本的な引き上げや、価格競争を防ぐための価格の固定化、それに最低価格の導入が 必要だと訴えました。 県保険医協会の末益部会長は、「低賃金や長時間労働が原因で、卒業後、5年以内の 離職率が7割にのぼる異常事態が起きている。歯科技工士の厳しい状況を知ってもら いたい」と話しています。