(拔粹)
質疑者續き:
最後のポイント、國内政治。あなたの議論の背景にある社會科學に就いてですが、本當に考へてみるとある種(國内政治が)ないやうなものなのではないか、と云ふことです。
質疑者:
ウクライナのEUとNATOへの加盟に對する 西側のコミットメントに就いてですが、
NATO加盟に反對してゐる西側諸國があるからです。NATOの擴大に反對してゐるからです。
緩衝地帶を作ると云ふ考へは冷戰後の米國の外交政策にはなかつたと考へるべきだと云ふことですか?
質疑者:
あなたはスピーチの最後に、次のやうに述べました。
歴史は不利に判斷するだらうと。アメリカと同盟國に就いてです。
なぜドイツとフランスは NATOの擴大路線に反對なのでせう?
ウクライナとジョージアにNATOを擴大することに反對してゐたのなら なぜ彼らはNATOの擴大の見通しを沮止できなかつたのでせう?
質疑者:
プーチンは通常、外國の同僚に嘘をつかないと理解してゐます。しかし、若し戰爭の目的が現實世界や部分的な戰爭の目的が好ましくないものであれば、一般的なリーダーに嘘をつく良い理由にはならないでせうか?
JM:
まづ、ジェフリーの指摘から始めませう。社會科學には限界があります。常に間違つてゐる可能性とともに生きるのです。 入手可能なすべての公的證據が一つの方向を示してゐても、20年後にアーカイブを開けば、自分が間違つてゐたことが分かるかもしれない。
そして最後の質問ですが、NATOの擴大と云ふ話は、本當の動機のための僞裝だとおつしやいました。味氣ないですが、事實であることが證明されたはけです。私はここで、私が眞實を知つてゐると言つてゐるわけではありません。私の解釋をお話ししてゐるのです。
手に入るものはすべて讀み、多くの人と話し、多くの聽衆の前でさまざまな形でこの講演をしました。そして、人々は私に反論し、結果、入手可能な證據が私の基本的な論旨を裏附けてゐると云ふ點では、それなりに安心できてゐるのです。しかし、それは私が固定されてゐると言ふことではありません。私が言つてゐることと矛盾するやうな證據を見つけたら、それに応じて私の主張を變へます。
存亡の危機とは何かと云ふことに就いては、ロシアはこの特定のケースに於て、存亡の危機とは自分たちの生存を脅かすものであると云ふことを明確に述べてゐると思ひます。國際關係論で言へば、キューバの核彈頭ミサイルを「存立危機事態」と見なしたのと同じやうに。そこに疑問の餘地はないと思ひます。