作詞作曲編曲MV:八十川P
とあるところに、一人の少年が居ました。
少年はいつも独りでした。
ある雪の日、少年の前に雪のように透き通った白い肌の少女が現れました。
少女は、少年にこう言いました。
「君のために来たんだよ。」
と。
それから、少年と少女はずっと一緒に居ました。
どこへ行くにも、一緒でした。
でも、同じ村に住む他の人たちはそれが気に入りませんでした。
だから、少年がちょっとでも少女と離れた隙に虐めるようになりました。
少女はそれに気付き、そして言いました。
「君のためだよ。」
と。
それから、少女は少年の前に現れなくなりました。
少年はもう、虐められなくなりました。
でも、少年の心には大きな風穴が空きました。
少年の心は今にも凍ってしまいそうでした。
ある晴れた日、少年は耐え切れず駆け出しました。
初めて少女と出会った場所に。
息を切らしながら走り続けました。
そして、そこには少女が居ました。
あの時と同じ、透き通った肌の少女が、佇んでいました。
その姿を一目見た途端、少年の心の穴は埋まり、途端に温かくなってきました。
少年は気付きました。
それが人の温もりだと。
人の温かさだと。
しかし、少年がそれに気付いた時には、少女は駆け出していました。
少年は必死で追いかけました。
この温もりを伝えたい。
この想いを伝えたい。
だから、少年は駆け続けました。
そしてとうとう少女に追いつき、その手に触れました。
少女は立ち止まりました。
そして、それが合図だったかのように、少女は少しずつ透明になっていきました。
少年は動かない口を動かして、やっとの思いで一言、彼女に言いました。
「XXXXX」
少女は微笑み、一筋の涙と共に言いました。
「雪の日は、いつでも傍にいるから…」
とうとう少女は消えてしまいました。
雪が融けるように、居なくなってしまいました。
少年は泣きながら、少女に向かって必死に言いました。
「ありがとう」
と。