高天原(大宇宙)に鎮座します皇室御祖先の高御産霊神・神産霊神によって八百万神達が集められ、神々は議論を重ねに重ねた末、天孫である瓊瓊杵尊が豊葦原の水穂の国(日本)を平和な国にして統治する事が決定し、その旨、勅令がくだされた。瓊瓊杵尊に委ねられた豊葦原の水穂の国の中には皇祖の神々の意向に従わない神達がいたので、まずは服従するかを何度も問うて説得し、それでも従わずに荒ぶる神達がいればこれを討伐して追い払い、ものを言う岩石、木の株、草のひとひらの葉に至るまで鎮まらせた上で、遂に、瓊瓊杵尊は大宇宙の玉座を離れ、幾重にも重なる雲を踏み別けて地上へと降臨した。皇祖の神々に託された世界の中央にして中心である日本を、世界平和の模範となる平和な国と定め、地盤に宮殿の中心となる太い柱を立て、大宇宙に届くかのような高い千木を立て、大宇宙の神々、地球上の神々、八百萬神等の大御心と御心と共に、皇孫たる瓊瓊杵尊の立派で美しい稜威(神の威光)の輝く御殿を建て、これを奉った。皇孫が御殿に鎮まり、この国を平和に統治したが、国内に於いて日々生まれ増えていく人々は、知らず知らずのうちに生業上の罪や人道の罪等、沢山の罪を犯すようになった。そこで、大宇宙の神々の儀式に倣い、尊い木の上部と下部とを切り、尊い金木で作った台に捧げ物を置いて、尊い麻の上部と下部を切って八つに切り割き、大宇宙の神々が授けた偉大で尊い祝詞『太祝詞』を唱えた。
この祝詞を唱えれば、大宇宙の神々は天の岩戸を開き、湧き立ち幾重にも重なる雲を踏み別けてお聴きになり、地球上の神々は全ての高い山低い山の山頂に上り、山々に立ち込める霧や霞を掻き分けてお聴きになる。この世の人々はもちろん森羅万象の一切の罪、穢れ、禍事は全て消失する。まるで風神が起こす風が幾重にも重なる雲を吹き払うように、朝夕の霧や霞を朝風夕の風が一掃するように、八十島の港に泊まっている多くの船の船首と船尾の綱を解き放って大海原に押し放つように、見渡す限り生い茂った木々を焼き、よく切れる鎌でこれを薙ぎ払うように、一切の罪を祓い清めてくださることを、全ての山頂からたぎり落ちる急流の川瀬にいらっしゃる瀬織津姫が、全ての罪や穢れ等の禍事を持ち去り、大海原に持ち出してくださる。
すると、沖合の数多の潮流が一箇所に集まっている所にいらっしゃる速開都姫が、罪や穢れ等の禍事を全て呑み込んでくださる。
すると、黄泉の国に通じる門戸に坐す気吹戸主神が、罪の穢れ等の禍事を黄泉の国に吹き放ってくださる。
すると、黄泉の国に坐す速佐須良姫が、全ての罪や穢れ、禍事を持ちさすらい、遂には全て消し去ってくださる。
かくして、もはや一切の罪、穢れ、厄災は無く、お祓いお清めくださいと、大宇宙に坐す神々、地球上の神々、八百万の神々に恐れ謹み畏みつつ申し上げるものである。
神社本庁所属神主・楠公研究会代表理事・表千家茶道教授者・池坊教授・作家
楠公末裔の立場から先祖・楠木正成について著した拙著『建武中興と楠木正成の真実』はAmazonからもお求め頂けます→
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