普通ほど珍しいものはない
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3話#14:20
ゴールデンタビータイガーは、黄金色の毛を持つトラのことで、白い毛を持つホワイトタイガー のように、自然界では極まれにしか見られません。そんな珍しい黄金色のトラが、20014年にインド東部の国立自然公園で児童撮影カメラにより撮影されました。普通のトラに比べて明るい毛色をもつゴールデンタビータイガーは、森の中で目立ちやすく獲物に気付かれやすいため、生存に不利だとも考えられます。しかしこのメス個体はその後のカメラ調査でも撮影されており、国立公園で無事に暮らしているようです。
実はゴールデンタビータイガーは、世界中の動物園で多く飼育されています。全ての個体はホワイトタイガーを祖先に持ち、このホワイトタイガーが持つ遺伝子が黄金の毛色に関わっています。この珍しい遺伝子を維持するために、そのため体が弱く病気を抱えている場合が多いと言われます。
インドで撮影された個体も、もしかすると近親交配が原因かもしれません。環境破壊により生息地はどんどん小さくなっています。珍しい毛色をもつトラの発見は、必ずしも喜ばしいことではないのかもしれません。(哺乳類学者 杉本 太郎 フォト解説より)