そりゃあお前……
1話#00:14
2話#07:30
3話#15:15
コアラが初めて日本に来たのは1984年10月25日だった。
物心ついた時から動物が大好きだった5歳の私は、幼稚園の遠足だったか親に連れられてだったかは忘れたが、見に行ったのを覚えている。
また、その後放映された「タスマニア物語」という映画で、オーストラリアで独自の進化を遂げた有袋類という不思議な動物たちに、魅了されたことも鮮明に覚えている。
コアラは体長約70cm体重約10kgの体に5cm位の丸い耳がついている、見た目でいえばまるでわざとかわいく作ったような不思議な動物だ。
高い木の上で生活し、群れを作らず、食べるのはユーカリの葉のみ、そしてとにかくよく寝る。
その進化も生態もとにかく独特で興味は尽きない、魅力的な動物だ。
当然守りたいと思う。
コアラはオーストラリアという地で、誰も食べられないユーカリを主食斗する困難な道を選び、生き残ってきた。
しかし、今また新たな困難がコアラを脅かしている。
かつてはその毛皮目当てに大量に殺され、また森林の伐採や山火事によってその生息数を大きく減らした。
しかし、その後の努力によって、回復し、今現在は絶滅の恐れからはだいぶ遠のいた。
そうなると新たなる問題が出てくる。
決して生息域になる森林が広がったわけではないので、増えすぎても問題があるということで、コアラの駆除も行われている。
一方では保護し、山火事や事故などで傷ついたコアラは治療やリハビリの末野生に返されている。
減ったら慌てて保護して増やす、保護して増えたら余るから駆除する。
コアラに限らず、世界中で、希少種がいる地域では同じことが行われている。
どうしてこうもバランスが悪いのか、コアラのユーカリの木の上で熟睡するほどの抜群のバランス感覚を、少し分けてもらいたいくらいである。(ハナ動物病院 獣医師 太田快作 フォト解説より)