2023年1月27日。
今日は大学の授業最終日。
珍しく開始10分前に、余裕をもって教室へ入った。いつもの陰キャ専用特等席を確保して、授業開始までTwitterでも見ていよう。
--------おっ、先生入ってきたな。そろそろ筆箱くらい出しとくか。
………………嘘だ。筆箱がない。リュックには正露丸と財布のみ。何でやねん
多分家出る前に音楽かけてノリノリで踊ってたせいや。
友達がいない且つ人見知りの私は隣人に借りることも出来ず。
このまま飛んでやろうかという気持ちと、これまで皆勤賞で出席してきた己への戒めとが葛藤する。
何せ、これまで一度も授業には遅刻していない。静まり返った教室へそっと入り、無言の圧で潰される、そんな屈辱を想像するだけで頭が痛い。
--------知らん人に話しかけるぐらいなら。
授業開始まで残り4分。ここは4階。1階の購買へ向かうことを決意した。
大学は金が無いので一台しかないエレベーターへ走る。
ボタンを押した瞬間下へと逃げられた
クソエレベーターを待つこと2分。
タイムリミットまで残り2分。
到着したエレベーターに乗ると残り1分になった。終わりや。
…………果たして私の判断は正しかったのだろうか?
いや、もう戻れない。ここまで来たらもう、賭けや。
全力で購買へと走る。通路を塞ぐように歩く人間共をここまで恨んだ日はない。
購買へ到着するも、緊急時に人間は咄嗟の判断ができないのだろう。なんで今お菓子コーナー見てるねん
意識を研ぎ澄ませて文房具コーナーへ。
考えろ考えろ考えろ考えろ。何が何のペンかもう分からない。
"シャープペンシル"
その文字に脊髄反射で、青いペンを手に取った。
その瞬間、チャイムが鳴った。
◇◇
震えたまま文字を書き綴るこの手は、大衆に対する恐れ故か、気温の低さ故か。
はたまた、ギリギリの状況を耐え抜いた達成感から来るドーパミンによるものか。
行き場のない怨念が詰まったこの青色のシャーペン。
家には大量にシャーペンあるけど。
臨時で買われた日用品って、他の日用品より劣等感を抱えてそうなので、いつか夢に出てきて恨みつらみを語られる気がします。
お前には動画素材となってもらった。どうか、許してほしい。
午後の秋風が頬を撫でる。いま冬やんけ
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