Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=iE_NdQyKTes)。
ハンガリー出身のピアニスト・作曲家で、指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父として知られる
ドホナーニ・エルネー(作曲家名エルンスト・フォン・ドホナーニ 1877 - 1960)は4歳年下のバルトー
クや5歳年下のコダーイのようにハンガリー土着の民族音楽に軸足を移すことなく、最後までブラームス
の系統に連なる後期ロマン派の作風を土台とする作品を発表し続けました。
ドホナーニは交響曲を2曲作曲していますが、評価が高いのは第2番 ホ長調 作品40になります。第二次世
界大戦中の1943年にブダペストで作曲に着手し、作曲途中にドホナーニはソ連軍の侵攻を逃れてウィーン
に移住して、そこで1945年にいったん作品を完成させます。しかし1948年の初演では評価されることは
ありませんでした。その後、1953~57年に全面的な改訂を行い、これが最終稿として1957年に初演され
て、一定の評価を得ることが出来ました。
作品は伝統的な4楽章構成の交響曲で、作曲中にドホナーニが周囲で味わった戦争に対する不安が作品の
内容に影響を与えており、ドホナーニ自身は作品の意図について説明する際に愛読書から引用して「偉大
な闘いの終わりに終着点がある。終着点は死であり、生は闘争である」と要約しています。
音楽様式としては、ブラームスやワーグナーをはじめとする作曲家の影響をドホナーニが咀嚼したものと
なっていますが、作品中で最も大きな影響を与えているのはバッハで、第4楽章は彼の歌曲「甘き死よ来
たれ」(Komm, süßer Tod)BWV478に基づく変奏曲とフーガという様式になっており、ドホナーニは
この楽章の終結部で「死に対する生の勝利」を表現したと述べています。
マティアス・バーメルト指揮
BBCフィルハーモニック