イギリスの日曜版大衆紙「メール・オン・サンデー」の調査によると、国王を警護する精鋭部隊の兵舎を含む多くの軍事施設に、閉回路カメラが設置されていることがわかりました。
「メール・オン・サンデー」に掲載された写真には、中国共産党支配下の企業であるハイクビジョン社とダーファ社が製造したカメラ機器が、イギリス軍の兵舎の入り口に設置され、兵士、将校、装備品の出入りを記録していることが写っているとのことです。国防省は、スコットランドのファスレーン原子力潜水艦基地やヘレフォードの英国特殊空挺連隊SAS特殊空挺部隊(とくしゅくうていぶたい、英: Special Air Service,SAS)本部など、軍の機密施設でもカメラが使用されているかどうかについての言及を避けたのです。
ハイクビジョン社とダーファ社は以前から中国人民解放軍と関係があるが、軍やこの国で恐れられている情報機関である国家安全部にデータを渡すことは否定しています。しかし、両社は中国の「国家情報法」に拘束され、すべての機関が国の警察や諜報機関が必要とするあらゆる情報を引き渡すことを義務づけられているのです。安全保障の専門家は、これには軍隊の基地からの映像も含まれるのではないかと懸念しており、イギリス政府は昨年、そのようなカメラはすべて部局から撤去するよう勧告しているとのことです。
調査責任者のジェイク・ハーフルト氏は、「政府が国家安全保障上のリスクを認識していたにもかかわらず、ハイクビジョン社のカメラが軍事基地でいまだに使用されていることは衝撃的です。中国によって製造されたこのカメラは、イギリス人に深刻なプライバシー・リスクをもたらすものであり、使用を禁止すべきです。