世の中には多くの治療院・治療テクニックが存在し、「根本療法」「根本原因は○○だ」と謳っていますが、実はそのほとんどすべては本当の意味での根本療法ではない「準根本療法」と呼べるものでしかありません。
従来の対症療法と一応区別するために「準根本療法」と呼んでいますが、大きな視点で見れば「対症療法の延長」に過ぎません。
(数多くの改善症例を誇る凄腕治療家や繁盛院の多くが、そのことに気づいていません。)
というのも、ほとんどの治療院のゴールが、「症状を解消すること=根本改善」だと信じ込んでいるからです。
「え?そりゃ症状が解消されれば全て解決じゃないの?」
と思われるかも知れませんが、改善したと思われた患者さんの多くは再び症状を再発させたり、別の症状が出てきたり、あるいは別の形(人間関係や金銭トラブルなど)で問題が生じたりするからです。
多くの患者さんや治療家さえも、「症状=悪」と捉えて、症状を消す事だけに重きを置きがちですが、その発想は「火事で警報ベルが鳴っているのに、警報ベルを消す事ばかりに気を取られ、火に気づこうともしない」光景と同じなのです。
本来なら、火を見つけて消してあげればベルは自ずと消えるのですが、ベルを消すことに躍起になる事で火はますます燃え広がり、それを知らせようとさらにベル音が大きくなるというのが現代医療の姿なのです。
ベルが聞こえないように耳栓をしている間に火が勝手に消えていく場合なら、大事には至らないこともありますが、多くのケースで大火事になってしまうことがあります。
誤解を恐れずに言えば、現代西洋医学が対症療法であることはもちろんの事、代替医療・自然療法系のテクニックのほぼすべては、たとえ根本療法と銘打っていたとしても実は「準根本療法」の位置づけでしかありません。
少し厳しめに言えば、「準根本療法」とは、一見すると根本療法のようにも見えますが、内実は「根本療法もどき」です。
敏腕治療家でさえ、このことに気づいている方は少数です。
「気の流れ」「血流」「脳脊髄液」「自律神経」「内臓」「筋緊張」「筋膜」「最深層筋膜」「姿勢バランス」「骨格」「リンパ」などをそれぞれの治療家が根本原因と診立てて、様々なテクニックにより症状を改善できたとしても、これらの原因とて本当の意味での根本原因ではなく、枝葉・副次的要因に過ぎないのです。
というのも、症状やトラブルが生じる本当の意味である「生き方」「深いところの感情の記憶による繰り返し」などが放置されたままで、症状だけが解消されたとしても、いずれ同じような症状、あるいは別の形で問題が表在化してくるからです。
それは病かもしれませんし、人間関係や金銭トラブルかもしれません。