2023年初頭、テスラを筆頭とする新エネルギー車が「価格競争」を巻き起こした後、小鵬(シャオペン)やBYD(ビーワイディー)などもそれに追随する動きが見られ、東風(とうふう)自動車も大幅に値下げとなりました。値下げの潮流は一瞬にして全国を駆け巡り、国産車も輸入車も含めて価格競争が激化しました。その結果、最安値は無く、ただひたすらに値下げ続ける悪質な競争が始まり、最終的には品質を犠牲にして価格優位性を保つだけとなり、産業はこうして自滅していくことになります。
自動車の「価格競争」は、今中国共産党政府のあらゆる部門が直面している状況と同様なのです。人々の手元にはお金が残らず、必要のない消費財を手放さなければならない状況を反映しています。長年にわたり、国民が苦労して稼いだお金は、教育、医療、住宅などに消費され、借金まみれの生活を送っているのです。
そして、3年間の新型コロナウイルスによるパンデミックが最後の一撃となり、大量の失業と給与カットによって、生きるための唯一の道も完全に閉ざされてしまい、消費はおろか、家族の生活さえも維持出来ない人が増えています。