~前略~
~中略~
バイトに来たぼっちちゃんなんだけど、明らかに何かおかしい。
いや行動が変なのはいつもなんだけど、その日はそういう感じじゃ無かった。
誰が見ても普段のぼっちちゃんとは違和感があってお姉ちゃんですらぼっちちゃんの事を気にしてた。
それで喜多ちゃんが何かあったか聞くんだけど、こういう時ばっかりぼっちちゃんは隠すのが上手くて「別に何もないですよ」って、ちょっとだけ辛そうに、だけど普段通りにへにゃって笑うんだ。
そこで、ああ、ぼっちちゃんは本当に困った時は私達に頼ってくれないんだって悲しくなるんだよね。
そんな事をしてると、いつもみたいに酔っ払った廣井さんがやって来た。
それを見たぼっちちゃんは一瞬だけ怯えた様な顔で小さく、「ひっ」て。
でも、その後はいつも通りにしようと頑張るんだ。
それに気付いたお姉ちゃんが廣井さんを外に連れ出して話をするんだ。
星歌「おい、お前昨日あの後ぼっちちゃんに何した?」ガン
きくり「いった、別に何もしてないですよぉ」
星歌「じゃあなんでぼっちちゃんはお前にあんな怯えてんだよ!」
きくり「うわこわ〜」
きくり「ハァ…、大したことじゃないですよ。ただちょっと、ぼっちちゃんとイイコトしただけ。この世界じゃよくある事じゃないですか」
星歌「お前…!」グイッ
きくり「……なんすか」
ブンッ
ドサッ
きくり「いって」
星歌「クズだゴミだと思ってはいたが、まさかここまでだったとはな」
星歌「出禁だ、今後一切ウチに、いや、ぼっちちゃんの前に出てくんな」
きくり「あー、はいはい。私だけ悪者のパターンね、分かりましたよ」
きくり「まあでも、私からしてみれば先輩も似たようなもんだと思いますけどね」ボソッ
星歌「あ?」
きくり「あれ聞こえてました?だってそうじゃないですか、いい歳こいたおばさんが女子高生に入れ込んで!」
きくり「盗撮とかしてるのも結構バレバレだから気を付けた方がいいですよ!」
星歌「テメェ!」グイッ
お姉ちゃん達が外で話してる間に、私達はぼっちちゃんと話をするんだ。
何があったかは聞かないけど、本当に辛い事があったら話くらいはしてもいいんだよ。私達、仲間じゃん。って。
そう言うとぼっちゃんはポロポロ泣き出して、「ありがとうございます…、ごめんなさい…」って。
私の事を救ってくれたとってもカッコイイ最高のヒーロー。
だけど、そんなヒーローが曇るような事があったら私は絶対に、ずっと傍に居てあげるんだ。
また笑顔で最高のヒーローになってくれるように。
私のヒーローの、最高に可哀想で可愛い姿を見逃さないように。