平日の夕方は、ユアクマちゃんの大好きな教育テレビの時間。雛菜ちゃんに抱きかかえられて、楽しみにしている番組を一緒に見ます。
今日の放送は、動物達が産まれてくるまでのお話。ニワトリのお母さんが、タマゴを温めてヒヨコが産まれてくるのを待っています。そんな光景が、ユアクマちゃんには驚きのようです。
ねえねえ雛菜ちゃん。ヒヨコちゃんは、タマゴを温めたら産まれてくるんだって。
ぼくもタマゴを温めたら、ヒヨコちゃんに会えるのかな。
寝る前の歯磨きを終えたユアクマちゃんは、キッチンに向かうと冷蔵庫から卵を一つ取り出しました。そのままユアクマちゃん、卵を抱えて雛菜ちゃんのベッドで眠りにつきます。どうやらユアクマちゃんは、卵を孵化させてヒヨコちゃんに会いたいようです。
明日になったら、ヒヨコちゃん産まれてくるのかな。ヒヨコちゃんに会えたら、2人でどんなお話しをしようかな。いっしょに楽しく遊びたいな。ユアクマちゃんは、そんな出会いを心待ちにしているようです。
でも、雛菜ちゃんは少し困った様子。
その卵からヒヨコは孵らない。そう教えたら、きっとユアクマちゃんは悲しむはずだからです。
迎えた次の日の朝。
カーテンの隙間から漏れる光に照らされて、ユアクマちゃんは目を覚まします。早速、一緒にお布団に入っていた卵を確認します。
ユアクマちゃんのそばにあった卵は、二つに割れて殻だけになっていました。
あれれ? でも、中から産まれたはずのヒヨコちゃんがいません。どうしたのでしょう。
ユアクマちゃんはお布団の中を探します。ベッドの周りも必死に探します。けれど、その羽毛をまとった可愛らしい姿は見つかりません。ユアクマちゃんは段々と悲しくなってきました。
「ユアクマちゃん、おはよ〜♡」
いつもより早起きしていた雛菜ちゃんが、お部屋に入ってきました。
雛菜ちゃん。ヒヨコちゃんが見つからないの。
ユアクマちゃんは、泣きべそをかいて雛菜ちゃんに尋ねます。
雛菜ちゃんは言いました。
続きはpixivに。
偽装工作に長けた福丸立会人は、普通に戦闘能力も高いので間違っても勝負を挑んではいけません。