ゴールデンウイーク到来ッ!
ラボはお休みなのになんとなく来てしまう。
これまでなら無人の事務所で資料整理でもしていたところなのだが、
「待ちたまえれぷさん! その赤甲羅はここで使うべきではない!」
「ああっなんという数奇な運命! れぷさんの手には赤甲羅! 前を走るは愛すべきかのせなさん!
時はまさにファイナルラップ! 押すべきか押さざるべきか迷う、迷うッいいや限界だ押すねッ!」
「ああああっ……はいスター」
「ぬなっ!? ぬななななな…! はかったな孔明ー!」
…今年はめっさ賑やかである。二人ともケーキ買ってきたけど食べます?
「そういえば教授、先日ネットの海で興味深い噂を耳にしまして。
なんでも『GWに金水着を貼る』とご利益があるとかなんとか」
もぐもぐ。ほうほう。
初耳である。ふむ…バレンタインやハロウィンみたく企業や報道が新習慣を定着させようと
しているのだろうか。金水着で動く経済があるのかはさておき。
「なので昨晩大急ぎで金ビキニの衣装データをこしらえました。ほめて」
「うん、わかってた。そうなるだろうなって思ってたのぜ。えらいえらい」
撫でられれぷさんご満悦。かのせなさん困り笑い。
「しかし、せくちーお姉さんならともかく、かのせなさんが金水着とか似合わないんじゃ」
「いいえいいえ! これまでにないアダルティーかのせなさんが爆誕すると確信しています。
アップすれば『かのせなってお子ちゃまだよなー』と小馬鹿にする男子生徒どもは一網打尽、
総前かがみです。GW明けかのせなさんは『一つ上の女』とクラスで持ちきりに」
「いやそんな称号いらんし、そもクラスメイトに見せんし」
「かのせなさんの気になる殿方も前かがみですよ? こうかはばつぐんだ!」
「……そ、そんな相手いないし! そも金水着で始まるロマンスとかいらんし!」
それはそう。
というわけで、胡散臭い都市伝説に乗っかって金水着演舞である。
御利益の審議はさておき、かのせなさんのせくちーが少しでも癒しになれば幸いだ。