二重思考です……
1話#00:18
2話#07:03
3話#13:53
名前からして優美な響き。中南米の熱帯雨林を中心に暮らす、中型の野生ネコだ。黒色斑点~梅花紋~それがつながった大きな模様と、体表を様々な模様が覆う美しい毛皮を目当てに、1960~70年代には年間14~20万匹分もの毛皮が中南米から輸出されたという。それでもアマゾンなど大部分の生息域では個体数も多く、IUCNのレッドリストではLC(低懸念)カテゴリーに入れられている。ただし、アメリカ合衆国南部やメキシコ北部、ウルグアイ、アルゼンチン北部など分布の周辺地域では危機的な状況にある。オセロットの学名はLeopardus paradalis(Linnaeus,1758)という。属名のLeopardusも種小名のpardalisもヒョウを意味する。確かにヒョウに似た模様ではあるが、サイズはヒョウよりずっと小さく、大きくても頭胴長1mほどだ(大きなオスのヒョウは1.9mにもなる)。ちなみにPardalisという種小名はさまざまな生物に使われている。私の大好きな蝶にオオイナズマと言おうグループがあるが、そのうちの最普通種であるサトオオイナズナの学名もLexias pardalis。メスは濃茶地に黄色い斑点がちりばめられて、いわゆるヒョウ柄だ。これとよく似た種にヤマオオイナズマLexias dirteaというのがおり、その同定は混乱を極める…。オセロットに戻ると、オセロットという言葉は主にメキシコで話されているナワトル語に由来するが、それはこのオセロットではなく、ずっと大きなジャガーを指す。また、ラテン語のocellatus(眼状紋の意)が語源だ、とする説もある。基本的に夜行性で、木登りや泳ぎも巧みななめ、ナマケモノ、ホエザル、シカ類の子ども、アグーチなどの齧歯類、アルマジロ、イグアナ、鳥、カニなど様々なものを食べる。(自然映像作家 栗山 定 フォト解説より)