2023/6/3にイギリスのエプソムダウンズ競馬場で行われたGⅠ:Betfred Derby Stakes(第244回ダービーステークス)
前走2000ギニーをイレギュラーな輸送スケジュールもあり大敗したディープインパクト産駒のAuguste Rodin(オーギュストロダン)が2番人気から巻き返して偉業を達成。
道中は先行集団を見る形で中団を追走、トッテナムコーナーから直線に向くところで各馬が一斉に仕掛けだすと先に抜け出したKing Of Steelを一頭追いすがり、そのままゴール板手前で交わし半馬身差をつけて勝利した。
1780年に創設されたこのレースは言わずと知れたイギリス、ひいては世界の競馬界を代表するレース。
世界各国、様々な地方でダービーを冠したレースが行われるのみならず、
「ダービー」という言葉は競馬以外の競技においても使われており、
その全ての発祥となる"The Derby"がこのダービーステークスである。
過去の勝ち馬には競馬の歴史とも言える数多くの名馬がおり、今日も血統表を遡ればその名前を目にすることができる。
なお、Northern Dancerの父系以外でこのレースを勝利したのは2010年のWorkforce(Mr. Prospector系)以来。
この時の鞍上もRyan Mooreであり同年の凱旋門賞もこのコンビで勝利している。
Auguste Rodinは2020年アイルランド生まれ、父:ディープインパクト、母:Rhododendronの牡馬。
ディープインパクトの世界に12頭(日本6頭、欧州6頭)しか存在しない最終世代産駒であり、
前年の2歳GⅠ:Futurity Trophy Stakesの勝利(
sm41826746)によってイギリスクラシック戦線の主役の一頭となっていた。
ディープインパクトは初年度から2022年までで12世代連続で産駒からクラシックホースを輩出しているが、
2023年はラストクロップの数故に東京優駿終了時点で桜花賞、オークスにライトクオンタムを送り出すも勝利は叶わず(6頭からクラシックに出走する牡馬混合重賞勝ち馬を出しただけでも偉業である)、
全13世代での達成が危ぶまれていた。
しかし本馬の勝利によって競馬発祥の国イギリスのクラシック最高峰であるダービーによってこれを達成、
同時に産駒の国際GⅠ100勝も達成し現役時代からの伝説にまた新たなページが加わった。
※C:Colt(4歳以下の牡馬)、H:Horse(5歳以上の牡馬)、F:Filly(4歳以下の牝馬)、M:Mare(5歳以上の牝馬)、G:Gelding(騸馬)
例:2YO C=2歳牡馬