中国の地方政府は債務危機に深く陥っています。中国都市の半数は、債務返済義務がすでに収入の10%を超えているとのことです。
アメリカの経済調査会社ロジウム・グループの研究者が6月2日に発表した報告書によりますと、債務の逼迫(ひっぱく)により、中国の地方政府は、新型コロナウイルスの感染拡大後の、復興に向けた財政支援ができず、都市の半数が昨年、債務の利息の支払いにさえ、苦労していると述べました。
地方政府の債務負担が増加しているのは、昨年のロックダウンなどによる、全面的な感染予防対策によって、経済活動が抑制されたことに加え、不動産市場の低迷により、地方政府の歳入が大幅に減少したことが、大きな要因となっています。
またロジウム・グループの研究によりますと、中国の甘粛(かんしゅく)省蘭州(らんしゅう)市と、広西(こうせい)チワン族自治区桂林(けいりん)市の2つの都市で、昨年の債務返済額が、この2つの都市の総収入を上回っていることが、明らかになりました。