いずれ良くなるだろう、と
またも服で瞼を擦った。
震える手を震える手で包んだ。
生きることは難しい。
それは僕に限った話だ。
遠慮がちに、伏し目がちに生きなきゃ。
古いテレビを治すように
自分の頭を殴る癖
痛くて眠れなくなったよ。
頭蓋が歪んじゃったよ。
こんな奇形でも受け入れられるのかな。
生命の神秘だなんて言い訳をすれば。
もう一言も話しかけないで。
僕が僕であることを
忘れたままでいさせて。
ああ、頭が悪いからしょうがないな。
ああ、思慮が及ばず余計なことを口走るのも、
矛盾だらけの自尊心を卑屈と言い張ることも、
逃げ道すらも高尚だと自分に言い聞かせるのも。
古いテレビを治すように
自分の頭を殴る癖
痛くて眠れなくなったよ。
頭蓋が歪んじゃった。
どうせ治らない。暗い部屋で眠りたい。
夕焼けが、夕焼けが眩しかったから。