Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=fPOBpluYD8A)。
ハンガリーの貴族の子として生まれたゲザ・ジチー(1849 - 1924)は、少年時代にフランツ・リストから
ピアノを習っていましたが、14歳の時に狩猟の際の猟銃の暴発事故で右手を失いました。しかし彼は左手
のためのピアノ曲を自ら作曲して演奏することにより、ピアニストとして活動し、音楽評論家のエドゥアル
ト・ハンスリックなどから称賛されました。
そんな彼のレパートリーの1つが、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004の
終曲「シャコンヌ」を左手のためのピアノ独奏用に編曲したものです。バッハのシャコンヌを左手のための
ピアノ独奏用に編曲したものといえば、ブラームスの編曲版(
sm33997823)が広く知られていますが、そ
ちらがバッハの原曲から忠実に音を移し替えているのに対し、ゲザ・ジチー版は原曲にない多くの音が追加
されており、いかにもロマン派らしい編曲ですが、ピアニストの技巧をコンサートで示すためのショーピー
スとしてみれば、かなり優れた編曲版だと思います。
アルトゥール・シミホ(ピアノ)