Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=hljHSqd4IPk)。
ハンガリーの貴族の家に生まれたゲザ・ジチー(1849 - 1924)は、フランツ・リストにピアノを学びまし
たが、14歳のときに猟銃の暴発で右腕を失います。しかし彼のピアニストとして活動したいという意志は
固く、その後40年以上にわたって左手だけで演奏するピアニストとして精力的に活動しました。
ジチーは演奏会での自らのレパートリーを増やすため、数多くの作品を作曲しただけでなく、既存の有名曲
を左手だけで演奏できるように編曲することも行いました。そんな編曲作の1つが、師リストの有名な「愛
の夢」S.541より 第3番です。もともとリストの作品は演奏に要求される技巧難度が高いことで知られてお
り、それは「愛の夢」も同様です。しかし、ジチーは通常の両手を使うピアニストでも難度の高いこの曲
を、左手だけで演奏可能なように見事に編曲しており、一聴しただけでは片手で演奏しているとは信じられ
ないほどの名編曲となっています。
なお、この動画で演奏しているニコラス・マッカーシーは生まれつき右手がないというハンデを乗り越えて
ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック(王立音楽大学)でピアノを学び、左手だけのピアニ
ストとして史上初めてロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックを卒業しました。その後は精力的に演奏活
動を続け、デビューアルバム「Solo」はイギリスのクラシック音楽チャートで4位を記録しています。
ニコラス・マッカーシー(ピアノ)