Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=4dwYlX8kL64)。
キーウ出身で、ロシア帝国末期からソ連建国期にかけて活躍した作曲家レインゴリト・グリエール(ロシア
語読み。ウクライナ語読みでは「レーインホリド・モリツォーヴィチ・フリイェール」1875 - 1956)は、
交響曲第3番「イリヤー・ムーロメツ」が代表作として有名ですが、もう1つの代表作として挙げられるの
が、1928年に作曲されたバレエ音楽「赤いけしの花」作品70です。
この作品は1920年代の中国の港を舞台として、そこで酷使されている苦力(クーリー)たちを助けようと
するソ連船の船長と、彼を助けようとする中国人の踊り子タオ・ホアとの悲恋を取り扱ってて、題名「赤い
けしの花」とは、ソ連船の船長がタオ・ホアに愛の証として渡した花のことです。音楽的には後期ロマン派
の作風に近代的要素やオリエンタリズムが加わっていて、偶然にも同時期に作曲され、同じ中国を舞台とし
たプッチーニの歌劇「トゥーランドット」に似たところがあります。この作品はソ連の建国後初めての、そ
して近代の革命を題材とした最初のバレエとされています。
後にグリエールはこのバレエから6曲を抜粋して組曲とし、作品番号「70a」を付けました。この中では第6
曲「ソヴィエト水夫の踊り(ロシア水夫の踊り)」が有名ですが、この曲はロシア民謡「ヤブロチコ(小さ
なリンゴ)」を編曲したものです。
アンドレイ・アニハーノフ指揮
サンクトペテルブルク交響楽団