ろじぇぽっぷのボカロオリジナル曲通算5曲目「炎天緑地ハイドレーション」、お聴き頂いてありがとうございます。予定より20日遅れ、本来なら盛夏期に出すべき曲だったんですが、苦手なイラストや映像に手間取って投稿が大幅に遅れてしまいました。楽曲の方は光石の本気をぶつけました。
表向きは真夏の酷暑と熱中症の症状を描きつつ水分補給の重要性を喚起する…といった内容を目指して作りましたが、暑さに加えて後半は騒音の描写でさらに暑苦しさを増していきます。水がモチーフになっているのに、納涼ソングではないという重苦しい歌(笑)を、ソロシンガーとして初めて抜擢した東北ずん子が危うさと脱力感いっぱいにうまく表現してくれました。
体調もすぐれずネガティヴな時期に書いた作品なので2サビ歌詞の「わたしの中のもう半分は何?」辺りは、どうせ元々中身空っぽな人間だしいっそ全部水でいいや、という自虐も無意識に込められてたのかな、と後から見返して思ったりもしました。全体的に深読み可能な鬱ソングなんだと思います。
実写部分のほとんどは楽曲のイメージの元になった大阪府豊中市で撮影したものです。詞を書き始めたキッカケが最高気温全国上位を記録した日でしたが、実際に38℃になった日は今年そんなになかったようです。
(文:光石光葉)
【歌詞】
水浴びの子供たちが
しぶきの中を跳ね回る
蝉の声ディストーション響く
無人の野球場 砂煙
午前10時で34℃
手洗い場立ち眩み
窓越しに幻2秒
わたしの中の半分は水
火照った肌 冷やしたはずみで
頭からびしょ濡れだけど
Tシャツも髪もみるみる乾いてく
綿雲の子供たちは
空の隅控えめに泳ぐ
今日は太陽遮ることも
雨ひと滴も望めないね
依然都会は騒々しいの
蝉が鳴き止んでもね
陽炎が揺れる地上
わたしの中のもう半分は何?
いっそ全身水になりたいな
蒸発して雲になるの
あそこまで行けば届かない
電車が鉄橋渡る轟音も
工事現場の金属音も
[GUITAR SOLO]
一面の空気振るわせて
低い空通過したジェット機
妄想から覚めた交差点で
ボトルを空にしてよろめいた
午後2時半 38℃
水をください 今すぐ
この街の真夏の日常
[PIANO SOLO]